ベータグルカン(βグルカン)は、オーツ麦に特に多く含まれる水溶性食物繊維であり、その健康への影響から多くの研究が進められています。この食物繊維は、血中コレステロールの低下や血糖値の管理、消化機能の改善など、さまざまな健康効果をもたらします。また、美容にも効果があり、肌の保湿や抗炎症作用、アンチエイジング効果が期待されています。
食品 |
βグルカン含有量 (g/100g) |
食物繊維含有量 (g/100g) |
オーツ麦 |
3.0 - 5.0 |
10.6 |
玄米 |
0 |
1.6 |
小麦 |
0.5 |
12.2 |
大豆 |
0.1 |
6 |
ごぼう |
0 |
4.3 |
リンゴ |
0 |
2.4 |
出典:USDA FoodData Central, https://fdc.nal.usda.gov/
βグルカンの構造
βグルカンは、β-D-グルコース単位が1,3および1,4結合によって連結された多糖類です。オーツ麦に含まれるβグルカンは、特に1,3および1,4結合の比率が特徴的で、これがその特有の機能性と多くの健康効果に寄与しています。
健康への効果
1.コレステロール低下
βグルカンは腸内で胆汁酸と結合し、それを排泄することでコレステロールの再吸収を防ぎます。これにより、血中コレステロール値を低下させる効果があります。
この効能については、USDA(米国農務省)も認めており、βグルカンを含むオーツ製品のパッケージには「心臓の健康に寄与する」という表現が許可されています。
USDAは、1日あたり3グラムのβグルカンを摂取することがコレステロール低下のために効果的であるとしています。この量は、約70グラムのオーツ麦(乾燥重量)に相当します。
2.血糖値の急激な上昇を防ぐ
βグルカンは、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。これは、食物の消化と吸収を遅らせることによるものです。これにより、糖尿病の予防や管理に役立ちます。
オーツ麦は低GI食品(グリセミックインデックスが低い食品)であり、血糖値の急激な上昇を防ぎ、持続的なエネルギー供給を提供します。
3.消化促進
βグルカンは水溶性食物繊維であり、腸内の善玉菌の栄養源となります。これにより、腸内環境が改善され、消化機能が向上します。
美容への影響
4.肌の保湿
βグルカンは高い保湿効果を持ち、肌の水分保持能力を向上させます。これにより、乾燥肌の改善や肌のバリア機能の強化に寄与します。
市販されている保湿クリームにはオーツ由来のβグルカンが含まれているものもあり、保湿効果が期待できます。
5.抗炎症効果
βグルカンは抗炎症作用を持ち、肌の赤みや炎症を軽減する効果があります。これにより、敏感肌やアトピー性皮膚炎の症状を和らげることが期待されます。
6.アンチエイジング効果
βグルカンは抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去することで細胞の老化を防ぎます。これにより、シワやたるみの予防に効果があると言われています。
参考文献:
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