急成長するオーツミルク市場① 海外の最新トレンド


アメリカとヨーロッパのオーツミルク市場
オーツミルクは近年、牛乳の代替品として世界中で人気が急上昇しており、特にアメリカとヨーロッパではその市場が大きく成長しています。この二つの地域におけるオーツミルクの市場動向を簡単にまとめ、その人気の背景を探ります。

1.アメリカのオーツミルク市場


出典:statista, Almond Dominates U.S. Milk Substitute Market,www.statista.com/chart/17981/sales-of-alternative-to-dairy-products/

アメリカにおけるオーツミルク市場は近年、著しい成長を遂げています。2022年のデータによると、オーツミルクの小売売上は前年同期比で50.52%増加し、52744万ドル(約800億円)に達しました。この急激な増加は、オーツミルクの人気の高さを示しています​
植物性ミルク市場全体を見ると、アーモンドミルクが依然として市場のリーダーであり売上は
127700万ドル(約1900億円)に達しています。一方、かつての市場リーダーであった豆乳の売上は16509万ドル(約250億円)に減少し、10年以上前のピーク時から減少が続いています。

全体として
2021年〜20221年間で、アメリカの植物性ミルク市場は6.4%成長し、総売上は229900万ドル(約3450億円)に達しました。この市場全体の成長は、主にオーツミルクの需要増加によるものであり、アメリカの植物性ミルク市場においてオーツミルクの存在感はますます強まっています
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2.ヨーロッパのオーツミルク市場

ヨーロッパでのオーツミルク市場は、急速な成長を見せています。特にドイツでは、
2023年から2033年にかけて年間平均成長率(CAGR4.2%で成長すると予想されており、同国の植物性ミルク市場において、60%以上のシェアを占めるほどといわれています。
これは、特に健康志向や環境への配慮からオーツミルクの人気が高まっているためです。

その他の国においてもオーツミルクの市場規模は大きく、例えばイギリスでは、高まるオーツミルク人気により
2033年までに市場規模が63635万ドル(約950億円)に達すると予想されています。
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ヨーロッパにおけるオーツミルク市場の成長は顕著であり、他の植物性ミルクと比べてもその成長率は高いとされています。健康志向や環境への配慮といった消費者のニーズに応える形で、オーツミルクの需要は今後も増加していくことが予想されます。


2つの市場の共通点と人気の背景

アメリカとヨーロッパ、2つの市場におけるオーツミルク人気の背景には、健康志向と環境への配慮という共通の要因が存在します。コレステロールフリーで食物繊維が豊富なオーツミルクは、健康を意識する消費者に支持されています。また、牛乳生産に比べて環境負荷が低いことから、持続可能性を重視する消費者からも選ばれています。

出典:
(1) Food Navigator, Plant-based milk by numbers, US retail: Oat milk and pea milk up double digits, almond milk and soy milk flat
(2) Future Insight,
Oat Milk Market Outlook (2023 to 2023)